僕景=ぼく的自然観
渋田薫は絵画作家だが音に関心を抱き、音が色や形となって現れる様子を元に即興的に描いている。
五感などの感覚、情報量は多大とされる視覚のように「視えている」他に、音のように「聴こえている」ものなど、それらによる情報が私たちの中で統合され認識される時、別の感覚でフィードバックが還ってくることがあり、各感覚はそれだけで閉ざされているわけではない。
そうした共感覚的な状態で渋田は「色」と「形」を感じている。
日々、自身を取り巻く環境(外界・他者)から受ける影響を、五感、知覚を通して受容し、把握している中に無意識に入り込んだ、手に取ることも出来ない、形を持たぬまま消え入りそうになる何か、はっきりと感じ取ったもの、残ったものだけが存在していると言えるわけでもない。
今回、それらからインスピレーションを得て交感するかの様に「音」「声」「形」「色」「素材」により表出させている。
手がかりとなる始めの鍵は異なるが、互いの表現を空間に配置、循環させる事で、新たな交感が生じる環境を生み出す事が出来るかもしれない。
本企画では作家それぞれの表現を空間に構成して、時間軸の中で循環させることで、新たに感覚を交感、交響させる環境を生み出して行きたい。
AUG 1 – SEP 3, 2023
本展は、奈良・町家の芸術祭『はならぁと 2023』のプレイベントである『はならぁと meeting』に合わせ、奈良市の歴史建築・藤間家住宅で開催される企画展示です。
ご来場の際は事前予約が必要となりますのでご注意下さい。
前日までに、①代表者名、②ご希望の来場時間、③人数をメールにてお知らせ下さい。
ⓒ TOMA UNRESTORED 2023